ゼノブレイド
『ゼノブレイド ザ・シークレットファイル MONADO Archives』。
発売から1日遅れての入手になりましたが、ちょっとだけ中身を紹介します。
・巻頭ポスター
表には風間雷太氏によるイメージビジュアル(
こちらのイラスト)、裏にはゲーム中のキズナグラムの完成形が載っています。
・『ゼノブレイド』開発陣ロングインタビュー(4~7ページ)
内容はすべて本書オリジナルで、少ないページながら小さい字でびっしりと書いてあります。RPGを作るうえで何を一番大切にしたのか、キャラクターやイベントシーンの製作裏話など、高橋氏率いるモノリスソフトのスタッフと任天堂の横田氏、シナリオ担当の竹田氏による濃いお話。
・ワールドビジュアル(12~29ページ)
ゲームに登場したフィールドをCGとともに振り返るコーナー。目新しい写真が少ないので、ここはちょっと物足りないかも。個人的には、イメージCGをそのまま巨神の身体に乗っけて無理やり再現した立体マップ的なものが見たかったです。フィールドごとに解説がついている点はいい感じ。
・メインキャラクター紹介(32~65ページ)
大きめの公式イラストとともに基本プロフィールとコメンタリーでと主な登場人物を解説。メリアの年齢が堂々と88歳表記(同社の『ザ・コンプリートガイド』が初出)になっていたり、機械化されたフィオルンの名前が「メイナスフィオルン」と書かれていたり。お絵かきの資料としても使えそうです。
・サブキャラクター紹介(66~79ページ)
いわゆるモブキャラたちの紹介ページ。キズナグラムに載る名付きNPCを中心に、クエスト等で判明する設定などがまとめてあります。
・ワールド・ガイダンス(80~89ページ)
地名や独自の概念など、一部の用語を解説してあります。
・バトルボイス・ファイル(90~105ページ)
戦闘中のボイスが全て文字として書き起こされています。抜刀時、オートアタック時、アーツ使用時、HP変化時、タレントゲージ増加時などなど、多種多様なボイスパターンをメインキャラクターはもちろん、一時的にパーティに加わるだけのディクソンやアルヴィースに至るまで網羅。これはすごい。
・キズナトーク・ファイル(106~127ページ)
こちらはキズナトークのまとめ。全キャラクターの全キズナトークを全選択肢分掲載してあります。もはや読むのが億劫になる勢い。すごいです。
・キャラクター設定画集(132~155ページ)
各キャラクターの設定画。複数のデザイナーさんが担当されたようで、防具ごとの特徴やコンセプトを解説付きで見ることができます。
・フェイス設定画集(156~193ページ)
顔を持つ機神兵「フェイス」のデザイン集。「黒のフェイス」から「ヤルダバオト」まで、そのディテールを堪能できるイラストが解説とともに多数掲載されています。背面ユニットの造りや変形機構のボツ案、コクピットハッチの開閉パターンなど、いかにもメカニックな内容です。
・名場面絵コンテ集(194~207ページ)
イベントシーンの元になった絵コンテの一部が載っています。家庭用RPG板の本スレでは「このまま漫画にしてもいいくらい」との評判。アニメーターとか目指してる方が好きそうではあります。実際のシーンを思い出しながら見るとなかなか面白いので拙者もおすすめ。
・電撃ゼノブレイド(208~221ページ)
電撃オンラインで実施されたWebアンケートの結果を反映したコーナー。「一番好きなバトルメンバーの組み合わせとは?」「一番好きな女性キャラクターは?」「一番好きなセリフ&イベントは?」「印象に残ったユニークモンスターは?」などなど、ユーザーのディープな回答がそのまま載せてあって非常に面白いです。アンケートの内訳も女性の回答が35%も占めていたり、年齢別では10代より30代の方が多かったり、興味深い点が多いです。
そして「オリジナル リキぬいぐるみ」の創作例も写真付きで紹介されてます。商品化されないなら自分で作ってしまえ!ということですね。
・リアルタイムイベントリスト(224~237ページ)
ゲーム開始からエンディングまでの主なイベントを写真&解説付きでプレイバック。ページ下部にはスタッフの方からのちょっとしたこぼれ話も。
・ゼノブレイド挿話―故郷にて―(244~249ページ)
巨神復活後から最終決戦に臨む前の物語をシナリオ担当の竹田氏自らがノベライズ。挿絵は山田孝太郎先生。エンディングでフィオルンが生身のホムスに戻れた理由の一端が明らかになります。
・世界の主な出来事(250~251ページ)
ゲーム内で明らかになる情報を元に電撃編集部が独自に作成した年表が掲載されています。相転移実験で誕生した二柱の神のみの世界は「閉じられた世界」とのこと。エンディング後に生まれた新世界の形は、解釈次第では「元の世界と繋がった」ともとれるわけですね。なんという壮大さ。
・オマケ
カバーの裏には「リキぐるみ」用の原寸型紙が!帯の裏にはその創作手順の解説が!カバーを外した表紙と裏表紙にはアンケートで寄せられたものすごい数のユーザーからのコメントがビッシリ!無駄のないつくりでした。
「ゲーム中で語られなかった○○」を求める方には少々物足りない内容かもしれませんが、良い一冊です。ゼノブレイドのファンとして持っていて損はしないでしょう。「重厚なバックボーンのないゼノなんて!」と感じる方もいるかもしれませんが、ゼノシリーズの生みの親自らが「多くを書くよりも他にすべきことがある」という意思を示して完成したゲームの設定資料集としては、これ以上のものはないかと思います。とにかくファンなら買い。