スプリンターセル3D
買うと言ったゲームを買わず、買わないと言ったゲームを買う。
最近、天邪鬼すぎる拙者の初『スプリンターセル』シリーズ。
国内では旧箱とPS2でリリースされていた(海外ではDS版もあるようです)『スプリンターセル カオスセオリー』が今度は3DSにリメイク移植。裸眼立体視への対応やゲームバランスの調整でより遊びやすくなったとか。
シリーズ初体験の拙者が5時間ほどプレイしての感想を書いてみます。
グラフィックは特別綺麗でも汚くもないです。オリジナル版と比較して簡素になっている部分はありますが、初めて遊ぶ身としては意識して比べてみないと分からない程度です。事前情報でネガティブに判断しすぎたかも。
ライトからの照り返しやキャラクターの影など、明暗の表現がリアルなので、敵に見つからずにコッソリ潜入するという雰囲気が十分に味わえます。その分画面全体が基本的に暗いというか黒いので、遊ぶ環境次第では写りこみや反射で見づらいのが玉にキズ。写真を撮るのも一苦労。
操作性は可もなく不可もなく。視点の操作は本体右のABXYボタンで行うことになりますが、同時押しでグリグリ動かす必要のある場面自体がないので、4方向にデジタルな展開をさせる分には特に不満は感じません。PSPのMGSPWをプレイ済みのせいもあるかもですが。
武器の出し入れや拘束攻撃など、メインとなるアクションはタッチスクリーン内に表示される擬似的なボタンでワンタッチで機能します。ペンではなく指で押すのが前提になっているようで、慣れるとなかなか面白いです。
立体視による3D感はちょっと微妙。奥行きやオブジェクトの存在感は増すのですが、画面手前への飛び出す表現が皆無のため、つじつまが合わないところがあります。たとえば、主人公・サムの描写。本来ならばカメラが寄ったら、その分画面手前に出てこなければ立体として不自然なはずが一切出てこないので、アップになればなるほどスクリーンの見えない壁で潰れたように見えてしまいます。画面全体の閉塞感が必要以上に上がってしまっているので、これはもう少し作りこんで欲しかったところです。
その他気になった点としては、ローカライズにあたっての字幕と音声の微妙な違いがオリジナル版そのままに移植されてしまっていることとロードの長さを挙げておきます。字幕については非表示にもできるのでさほど気になりませんが、ゲーム開始時や死亡時のセーブデータロードが30秒ほどかかるのは、フラッシュメディアであることを疑うほどのストレス源になります。多少待たされてもゲーム部分で楽しめるなら我慢できるという方でなければ、かなりのマイナスポイントに感じるかも……。
そんな感じで、現在3つめのステージ(銀行)に潜入中です。シリーズの時系列としては3作目に当たるそうなので、正直なところストーリーやキャラクターのバックについてはほとんど分かりません。とはいえ、とりあえずは「秘密部隊の工作員として悪党の陰謀を阻止する」みたいなノリで楽しめますので、メタルギア(ソリッドではない)はやったことないけどMGSシリーズは楽しめた!という方なら全然大丈夫かと思います。
色々と詰めの甘い部分が目立ちますが、オリジナル版が好評だっただけに、3DS版でも楽しめるには楽しめます。とりあえず3DSでじっくり遊ぶゲームをやってみたい方や、MGSやバイオの前哨戦として雰囲気を味わってみたい方は、遊んでみてもいいかもしれません。が、3Dや携帯機でのプレイに拘りがないのであれば、XboxLIVEにてオリジナル版が1200MSPでダウンロード購入できるのでそちらを選ばれた方が良いと思います。