キュービックニンジャ
本日発売、キュービックニジャ。本作は3DS本体のモーションセンサーおよびジャイロセンサーをメインの操作に据えたアクションゲーム。
振り子鉄球、電流棒、伸びるトゲ、などなど様々なトラップが張り巡らされたカラクリ要塞を攻略し、悪者にさらわれた姫君を助け出すのが目的です。
ゲームの感想を書く前に、本ソフトの取り扱い説明書を紹介。
東京カラクリーランド
コンパニオンにはさわらないでね!
触ると死ぬ!
公式HPの紹介文やPVを見れば分かるとおり、あらゆる方面でネタに走っていたニンジャですが、そこは製品まで手を抜いていませんでした。カラクリ要塞を一つのテーマパークに見立てて、ゲームの内容や各種モードが解説してあります。ふざけすぎて分かりづらい部分もありますが一見の価値あり。
以上。
さて、肝心のゲーム内容ですが、一言で言えば「壁にぶつかってもよい電流イライラ棒」という感じ。プレイヤーは3DS本体を傾けることで、画面内のニンジャを縦横無尽に振り回し、ステージのゴールを目指すことになります。GBCの『コロコロカ-ビィ』やGBAの『ヨッシーの万有引力』などを遊んだことのある方にはプレイ感が想像しやすいかも。
傾ける動作への反応は良好で、傾き加減に応じてニンジャの移動スピードも変化します。繊細な動きが求められる場面ではちょっとだけ傾ける。一気に流したいところでは腕を使って大振りに傾ける。なんて遊び方になります。
少々のプレイならそれだけで操作することも可能ですが、ステージの中には画面手前と奥を行き来しつつ上下左右に本体を傾けて進まなければならない場面もあるので、結果的には腕と腰をフルに使ったダイナミックな動きが要求されたりします。体感ゲームに抵抗がある方には厳しいかも。
しかし、そんな本体を傾けまくって操作するキュービックニンジャですが、3D立体視とスライドパッドを使った操作にも対応しています。通常時は画面を見ながら本体を傾ける必要があるため、3D表示はゲーム側でオフになっているのですが、スタートメニューのオプションから「マナーモード」をオンにすることで、本体ではなく画面を傾ける操作をスライドパッドに割り振り、映像を3Dで出力させることが可能です。これは操作感やその場の状況(身体を動かして遊べない場所など)によって切り替えるとよいです。
メインとなるモードは全部で5つ。それぞれ20のステージで構成された5つのエリアを攻略していく「STORY」、任意のステージで最速ゴールに挑戦する「TIME ATTACK」、ランダムに出てくるステージを一回ミスするまでにいくつ突破できるかに挑む「SURVIVAL」、自分で作成したステージやすれちがい通信で入手したステージを遊ぶ「CUSTOM STAGE」、ゲーム内実績が確認できる「MEDAL」。これら5つのモードに入る前のメニューで、オリジナルステーィを作成する「EDIT」とゲーム中の音量変更やマナーモードの切り替えができる「OPTION」も用意されています。
ステージ数については、エリア2までクリアした段階からの予想で書いてますので、もしかしたら違うかもしれません。
「STORY」モードのステージはゴールに辿り着くだけなら簡単ですが、ステージ中に配置されている巻物を集めながら進むとなかなか難しい場面もあり、初見殺しの構成もあったりして、ここまでの難易度はほどよい印象。
ニンジャは下画面に表示されるアイコンをタッチすることで、巻物の数に応じた術を発動することができます。身体を小さくして、トラップの間を通りやすくしたり、周囲に手裏剣を投げて邪魔な敵を倒したり、一定時間無敵になれるオーラをまとったり。ゲージ左の方から巻物1つにつき1目ポイントずつ力が溜まっていき、5つ集めるごとにそれぞれの能力が解放されて使用可能になります。が、選択した術に応じて必要分のポイントを消費するため、より上位の術を発動するためにポイントが溜まりきるまでストックしておくか、下位の術をガンガン使っていくかの判断が重要になります。
ただ、ポイントが5つ溜まりきる前に直前の術を使用してしまうと、端数分も吹き飛んでしまうという仕様がイマイチよく分かりません。例えば、写真では17ポイント分ゲージが溜まっていますが、20溜まりきる前の術(手裏剣のアイコン「八方手裏剣の術」)を使ってしまうと、あまった2ポイントも何故か消失してしまうわけです。これはなんでだろう。
どうやら拙者の勘違いだったようで、余分なポイントちゃんと残るようになってました。ニンジャの人ごめんなさい。
ゲーム開始時に選択可能なニンジャはエリアをクリアするごとに増えていく模様。初めはカーボン製で平均的な能力の「CC」のみですが、ゲームを進めていくとゴム製だったり鉄製だったり様々なニンジャが使えるようになります。壁に当たったときの音や声もそれぞれ違っていて可愛いです。シルエットを見る限り、全部で7人のニンジャがいるようです。
セーブとロードはそれなりに速いです。ステージ開始時やリトライ時に毎回の読み込みがありますが、せいぜい4秒くらいで、その間もBGMが途絶えなかったりしますのでテンポが悪いことはないように思います。
最後に残念な点をふたつ。本作はエディットしたオリジナルのステージやタイムアタックで記録に残したゴーストデータなどを、すれちがい通信で他のプレイヤーに送ることができるのですが、その仕様がちょっと酷いです。あらかじめフレンドコードを交換した相手としかすれちがうことができません。せっかく見知らぬ誰かとの通信が盛り上がりそうなゲームなのに、なぜこういうシステムにしちゃったんでしょう。これならローカル通信となんら変わりません。これは本当に残念です。
また、エディットしたステージをQRコードとして出力して、それを公開することで見知らぬ誰かに遊んでもらうことも可能ということですが、QRコードはあくまで生成されたものが画面に表示されるだけで、SDカードに画像データとして保存されたりはしません。なので、ネット上に貼り付けたりする際はケータイとかデジカメでQRコードが表示された画面を写真に撮る必要があります。これもよく分からないですね。二度手間になっちゃいますし。
と、色々書きましたが、ゲーム部分は体感型のアクションパズルとしてはしっかり面白い出来。キャラクターのデザインや声も可愛いですし、意外にもBGMが良い曲多かったり。通信関連は勿体無いですが、3,990円(税込)という他より一回り安い価格を考えれば仕方がないかも。
少々不満点を強調しすぎたかもしれませんが、PVやキャンペーンで興味を持った方はもちろん、アクションパズル好きの方にもおすすめできます。