パイロットウイングス リゾート
ついに、プラチナクラスまでの全ミッションで「☆☆☆」ゲットしました!
花火が綺麗な夜のウーフーアイランド本島がバックのスタッフロールへ。
外注と聞いていた通り、開発元は「MONSTER GAMES」というアメリカにある会社でした。もちろん、多くのスタッフが外国の方です。
さて、ここらでちゃんとしたレビューっぽいものを。
良かった点、残念だった点、それぞれ3つほど挙げてみます。
まず、先に残念だった点から。
1. ウーフーアイランドのリゾート感が活かせていない
2. すれちがい通信などの通信要素が一切ない
3. パーフェクトクリアがシビアすぎてストレスが溜まる
本作は、『Wiiスポーツ リゾート』で初登場した「ウーフーアイランド」を舞台とする、「アイランド構想」が採用されていますが、自分以外のMiiがほぼ登場しません。島内の施設でスポーツを楽しんでいたり、こちらが近づくと手を振ってくれたりといった、『Wiiスポーツ リゾート』の「遊覧飛行」で味わえたリゾート感がまったくないんです。
そうかと思えば、「ミッションフライト」で要求される飛行技術はリゾートとは程遠い硬派なもので、ゲーム内容と世界観がミスマッチな結果になっています。これは、いささか中途半端に感じました。
ウーフーアイランドを3Dで飛び回れるというのは魅力的ですが、リゾート感を演出できないのなら、いっそ従来のシリーズ作品のように飛行場の周辺を舞台にしても良かったのではないかと思います。
ゲームモードは「ミッションフライト」と「フリーフライト」の実質2つだけという、非常にシンプルな内容の本作ですが、いずれも一人用に特化したもので、インターネットやローカル通信を用いて多人数で楽しむモードや、自分の飛行記録などをすれちがい通信で他のプレイヤーと交換するといった、通信を使った遊びが一切用意されていません。
ハンググライダーで撮影した写真や、「会員証」の裏に記録されるフライト時間や獲得した☆の数など、誰かに見せた方が楽しいに決まっているものがあるのに、それを活かせないというのは残念です。せめて、すれちがい通信にだけでも対応して欲しかったところ。また、合わせてミッションクリア後のリプレイも、映像として保存して後で観賞できるようになっていれば良かったと思います。これも人に見せたくなるものですから。
そして、本作の醍醐味の一つにして、ゲームは余すことなく堪能してこそ!というプレイヤーへの最大の挑戦となる、「ミッションフライト」のパーフェクトクリア。コースに沿って配置される様々な仕掛けを、ミッションに応じて一切のミスなくクリアし、指定の地点に丁寧に着陸(または着水)して、ようやく達成となる事実上の満点スコア。これが本当にシビア。
やり応えがあること自体は、スコアアタック系のゲームとして良いことなのですが、前述したゲーム内容と世界観の乖離も相まって、パーフェクトクリアを目指すと一つの小さなミスでも非常にストレスが溜まってしまいます。
壁にかすって減点されればやり直し、ギリギリのところでポイントギミックを突破し損ねればやり直し、酷いミッションでは約3分のフライトを完璧にこなしても、最後の最後で着地が正確に決まらなければ、またやり直しです。パーフェクトクリアはゲームの進行上、必須なものではありませんし、それ自体のハードルを下げてくれと言うつもりもありません。
これはこれで良いんです。ただ、本当にストレスが溜まるのも事実なわけで、そしてその事実をもって「残念だ!」と言いたいだけなんです。
続いて、良かった点を挙げていきます。
1. 『Wiiスポーツ リゾート』と比べてもグラフィックが綺麗
2. 3D立体視でゲームの快適性が大きく上がる
3. セーブやロードがバックグラウンドのためストレスが溜まらない
はじめに書いた通り、本作は『Wiiスポーツ リゾート』と同じ島を舞台にしています。ということは、携帯ゲーム機である以上いくらWiiがSD画質であると言っても、細かな部分でどうしてもこちらが見劣りしてしまいそうなものですが、本作に限ってはそれが感じられません。むしろ、場面によっては本作の方が綺麗なんじゃないかと思うことさえあります。
例えば、ゲーム中の機能で撮影した2枚の写真を見てみます。
「3DSのシェーダはHD機並みに優れている」という意見がよく分かります。
光の反射やそれに伴ってできる陰影など、従来の携帯機どころかWiiですらできていなかった、細かな表現を見て取ることができます。実際は、この品質の風景が、自分の操作に合わせてリアルタイムに角度を変えて描かれるわけですから、これを綺麗と言わずして何とするかというところでしょう。
そして、こうしたWiiより美しいウーフーアイランドを3Dで見ることができるのも、本作の評価すべきポイントの一つ。昼、夕方、夜と、それぞれ異なった顔を見せる風景をはるか上空から眺めるのも、地上ギリギリまで降下して見上げるのも感動ものです。そして、3D立体視は見た目の良さだけでなく、実際のゲームプレイにおいても大きなはたらきをしてくれます。
目標物までの距離がはっきり目に見えて分かるんです。また、同じ色の物が重なり合った状態でも、どちらが手前にあってどちらが奥にあるのかが、ごく自然に把握できます。おかげで、奥に連なった複数のリングや風船をクリアする際に、飛行ルートを苦労せずに考えることができます。これは文字で書くと伝わりにくい部分ですが、2D表示時にはそもそも描かれていない部分が、3Dになってはじめて見えるようになるので、純粋な遊びやすさに繋がっているというわけなんです。
水平に近い形で奥へと進んで行くゲームとしては、他にリッジレーサーなどのレースゲームが挙げられますが、本作の3Dはそれとよく似ています。3Dで明確にゲームが遊びやすくなるという点では競合する部分があるでしょうし、本作をロンチに持ってこなかったのは正解だったのかもしれません。
最後に、このゲームのセーブとロードについて。セーブはプレイヤーが任意に行うことはなく、新しいミッションをクリアしたりハイスコアを更新したりした時に自動で行われます。ゲーム中でも序盤で解説がありますが、プロペラがクルクルと回るマークが上画面右下に表示されるので、それを見てセーブのタイミングを把握することになります。所要時間が短い上、マークが表示されている間も他の操作が可能なので、煩わしさがありません。
ロードに関しても基本的にセーブと同じく高速です。ゲーム開始時に、数秒間「ロード中・・・・・」の表示とともに読み込みがありますが、それ以外の場面ではほとんど読み込みを感じることがありません。特に、ミッションのやり直しにあたっては顕著で、スタートボタンを押してゲームを一時停止し、リトライするまでを一瞬で流すことができます。
残念な点に挙げた「パーフェクトクリアのシビアさ」ですが、セーブやロードといった、ゲームプレイ以外の部分で感じるストレスがないせいで、一層いやらしく感じてしまうのでしょう。憎いつくりです(褒め言葉)。
ここまで遊んでの感想はこんなところでしょうか。
スコアアタック系のゲームゆえ、ストイックに遊べる方でなければ十分に楽しむことは難しいかもしれませんが、ただミッションをクリアしていくだけなら割と簡単ですので、フライトアクションゲームをやったことがなくても大丈夫という間口の広さはあります。
声を大にしてお勧めと言うことはなくとも、興味を持った方には是非3Dが活きるスカイスポーツを味わってみて欲しいと思う、そんな1本です。
そんなこんなで、最終クラスの「ダイヤモンド」がオープンしました。
プラチナクラスまでのミッションはどうにかパーフェクトクリアで埋めることができましたので、残るダイヤモンドクラスの3つのミッションも、頑張ってパーフェクトを取りたいところです。目指すは完全制覇!